「特発性過眠症」を発症する確率は、日本では約5万人に1人です*。
「特発性過眠症」は、夜に十分な睡眠をとっているのに眠れず、突然の睡眠発作が頻繁に起こる原因不明の病気です。
睡眠発作はいわゆる「眠気」と区別がつきにくく、社会での認識も低いため、周囲の人や「特発性過眠症」の患者さん自身も「怠けているのではないか」と思われがちです。
「特発性過眠症」患者の数はさらに増える可能性がある。
「特発性過眠症」疾患の概要と数値の出典:
本田誠『最新臨床睡眠研究』(日本臨床社、2013年) [2018年3月1日参照]
MY STORY – 特発性過眠症
特発性過眠症を抱えながら、
社会福祉学科の教員として働くOさん。
葛藤しながら病気と生きた10年間を、本をにしたいとも考えているそう。
そんなOさんが考える、みんなが生きやすい社会とは?
-まわりの人に知っておいてほしいことは?
「自分には特発性過眠症という病気がある」ということと、「睡眠発作は症状である」ということです。外見ではわからない病気で、睡眠発作はただの“居眠り”に見えてしまうので、仕事でも遊びでも、一緒に過ごす人にはきちんと自分から伝えておくことが、私自身の生きづらさを減らしていると感じます。
-どんなときが楽しいですか?またどんなときが大変ですか?
楽しいのは、やりたいことがやれているときです。特別なことではないかもしれませんが、自分がやりたい研究や勉強をしているときや、みんなでお酒を飲んでいるとき、毎日の料理や散歩が楽しいです。大変なのは、薬を飲む時間がとれないときや、自分の病気についてわかってもらえなかったときです。電車やバスなどでふらふらしていて怒られたこともありました。見た目はもちろん、ヘルプマークでわかってもらえることもまだまだ少ないと感じています。
-人と人の垣根を減らし、ユニバーサルな社会にする上で必要なことは?
少し意地悪ですが、人と人との垣根を“減らす”ことだけが正解ではないと思います。垣根をなくすことで不安になる人もいるので、“垣根の向こう側”を想像して、どう寄り添うかを考えることや、その持ち主が垣根を外したいと思った時に自ら外せることが、大切なのではないでしょうか。障害や病気の有無にかかわらず、誰もが、なるべく自分の選んだ場所で“同じスタートライン”に立てる社会が、ユニバーサルな社会であり、今より少し生きやすくなるのではないのかな、と思います。
FAQ.
Q1. 特発性過眠症って何?
Q2. 特発性過眠症のどんな症状があるの?
– 起床困難:目覚めても頭がすっきりせず、何度も寝落ちしてしまう
– 長い睡眠時間:平均11時間以上眠ってもスッキリせず、日中の眠気が残る
– 自律神経症状:めまい、立ちくらみ、頭痛など
Q3. ナルコレプシーと特発性過眠症の違いは?
Q4. どうやって特発性過眠症を診断するの?
– 日中の過度な眠気
– 睡眠時間の長さ(10時間以上)
– 睡眠ポリグラフ検査で、睡眠時無呼吸症候群やレム睡眠行動障害などの他の睡眠障害がないこと